需要率
需要家が設備している電気機器の合計容量を設備容量とし、需要家が必要とする電力の最大値を最大需要電力とする。
需要家は普通、全ての負荷設備を一度に稼働させることはない。その為、最大需要電力は設備容量より小さくなる。設備容量に対する最大需要電力の割合が需要率である。つまり、需要家の設備容量に対して、最も電力を使用した時の値がどの程度かを示すものである。
需要率=(最大需要電力[kW]/設備容量[kW])×100[%]
需要率の例
総設備容量が10[kW]の住宅がある。この住宅の最大需要電力は6[kW]であった。
この時の需要率は。
(6[kW]/10[kW])×100[%]=60[%]
需要率の値が100[%]に近いほど、設備を効率良く使用していることになる。
不等率
いくつかの需要家の集まりを対象とした時、負荷設備を使用する時間帯は需要家によって異なる。その為、ある地域全体の最大需要電力は、その地域の個々の需要家の最大需要電力を単純に合計したものより小さくなる。この割合を不等率によって表される。
不等率とは、各需要家の最大需要電力の総和と合成最大需要電力の比となり、各需要家が最大需要電力を示す時を迎える時間のずれを表すものになる。
不等率=各負荷の最大需要電力の総和[kW]/負荷群の合成最大需要電力[kW]
不等率の例
最大需要電力がそれぞれ600[kW],750[kW],850[kW]の需要家があり、これらを総括した時の最大需要電力が1100[kW]であった。
不等率のおよその値は。
(600[kW]+750[kW]+850[kW])/1100[kW]=2
不等率の値は常に「1」より大きい。
何軒かの需要家に1つの変圧器から電力を供給する時、変圧器が供給する最大需要電力が各需要家の最大需要電力の総和より小さいほど、つまり不等率が大きいほど、この変圧器が効率良く使われていることになる。
負荷率
電灯は主に夜間に使用され、クーラーは夏場に使用されるといったように、負荷は時間帯や季節によって変動する。この変動の度合いを負荷率で表す。つまり、ある期間中の平均需要電力と最大需要電力の比が負荷率となる。
負荷率=(平均需要電力[kW]/最大需要電力[kW])×100[%]
負荷率は平均をとる期間のよって日負荷率,月負荷率,年負荷率などに分かれる。複数の需要家の需要電力を合わせた負荷率を総合負荷率という。
負荷率の例
1ヶ月(30日)間の使用電力量が7200[kW・h]で、最大需要電力が20[kW]の商店の負荷率[%]は。
まず平均需要電力を求める
平均需要電力=7200[kW・h]/(24[時間]×30[日])=10[kW]
求まった平均需要電力と最大需要電力から負荷率を求める
負荷率=(10[kW]/20[kW])×100[%]=50[%]
負荷の負荷率が大きいほど、それに対する供給設備は有効に使用されていることになる。