絶縁体と誘電分極
絶縁体(不導体ともいう)は、自由電子をほとんど持たない(電子が自由に動き回ることができない)、非常に電気を通しにくい物体である。
また、絶縁体は誘電体としての性質を示す。誘電体とは、電圧を加えると誘電分極を起こし、電気を蓄えることができる物体をいう。
水は、一般的に電気を通す物質と位置づけられているが、不純物をまったく含まない純水は絶縁体となり電気が流れない。例えば、純水に食塩を混ぜると、イオンが電離して+極と−極に分かれ電流が流れるようになる。
空気などの気体は絶縁体に位置づけられるが、大きな電圧が加わると絶縁が破壊され導体に変化する。雷に代表されるアーク現象は、絶縁破壊された空気が導体となった現象と言える。
導体と半導体
自由電子をほとんど持たない不導体に対し、自由電子の数が多い、電気をよく通す物質を導体という。
半導体は、導体と絶縁体の両方の特性を持っており、温度によって絶縁性能が変化する特殊な導体をいう。半導体に位置づけられるものにシリコンがある。シリコンは、低温では絶縁体の性質をもっており、温度が上昇すると自由電子の移動が活発になり電流が流れやすくなる。