カウントフリーとは
カウントフリーとは、特定のアプリやサービスを利用した際に、本来は高速通信としてカウントされるところを、カウントされないシステム。
例えば、高速通信容量が2GBの契約だった場合。YouTube動画を沢山観ようとしても、利用通信量が2GBに達すると、その月の通信が低速なものに制限される。
ここで、同じ2GBの契約でも、YouTubeをカウントフリーの対象とした格安SIMでの契約だった場合、YouTube動画の視聴が高速通信制限にてカウントされなくて済む。
格安SIMを選ぶ際、カウントフリーとなるアプリやサービスにどんなものがあるのか、選択のポイントになるだろう。
カウントフリーの懸念材料
カウントフリーでは、ユーザにとっての「通信の秘密」が守られるのかと、インターネットにおける「ネットワークの中立性」は保たれるのかの2点に議論がある。
通信の秘密
カウントフリーでは、ユーザが行う通信を、カウントフリーの対象になるものか(対象のアプリやサービスの利用か)どうかを判断する必要がある。その為には、ユーザの通信データを参照する必要が出てくる。そしてこの行為が、電気通信事業法などで定められている「通信の秘密」を侵すものではないのかという議論がある。
ユーザにとっては、カウントフリーのサービスを受けるということは、その格安SIMを提供するMVNO事業者に自分の通信が知られるということになる。
ネットワークの中立性
「ネットワークの中立性」とは、MVNO事業者を含むインターネット接続業者や各国政府は、インターネット上の全てのデータを平等に扱うべきだとする考え方。
格安SIMを提供するMVNO事業者が特定のアプリやサービスを優遇することは、平等性を欠き健全な市場育成を歪めてしまうという議論がある。
カウントフリーでも事業者選びは重要
通信量を気にせずコンテンツを楽しむことができるカウントフリーでも、その格安SIMが、元の通信速度が遅いものだった場合、コンテンツを快適に利用できるとは限らない。
自分が好むアプリやサービスをカウントフリーの対象とした格安SIMが複数あるなら、その中で通信速度の速いものを選びたい。
例えば、時間帯によって通信速度が変わる格安SIMの場合、カウントフリー対象のSNSで通信料を気にせず利用できるとは言え、通信速度が落ちる時間帯だと画像の表示などに時間がかかることもある。
格安SIM選びは、その事業者のサービスの内容を理解した上で行う方が良い。特に、動画の視聴を快適に楽しむには最低限の通信速度が必要。検討している格安SIMの通信速度がどうなのかは確認した方が良い。