半導体
物質を電気の通りやすさで分類すると、電気をよく通す「導体」、電気を通さない「絶縁体」、これらの中間の性質を持つ「半導体」に分かれる。
導体には銅などがあり、絶縁体にはゴムがガラスがあるように、「半導体」という言葉は元々物質そのものを表していた。しかし今では、半導体の性質を利用して作られる電子回路を指していることが多い。
スマートフォンには複雑な機能が多様に詰め込まれているが、それら機能を実現しているのが半導体である。例えば景色を撮影し、画像を画面で見るという一連の機能を実現しているのも半導体。
半導体の集積度による分類
半導体は、その果たす機能によっても分類されるが、集積度によっても分類される。
- IC(半導体集積回路)
- トランジスタやコンデンサ、抵抗などを1つのチップに集積したもの。
- 高集積化することで、機器を小型化し、かつ様々な機能を同時に実現することが可能となる。
- LSI(大規模集積回路)
- ICの集積度をさらに高め、1つのチップに1000個以上の素子を収めたもの。
- システムLSI
- 複数のLSIで構成していたシステム機能を、1個のチップ上に全て取り込んだもの。
- マイクロコントローラを含んで組み込み、システム製品の主要な電子回路を1個のチップに集積。
システムLSIのように、複数のICやLSIで構成していたシステム機能を、1個のチップ上に集積させた仕組みをSoCと呼ぶ。
パソコンでは、システムを動かすパーツをマザーボード上に取り付けるが、スマートフォンのように機器が小型化すると各パーツをそれぞれ組み込むのが難しくなってくる。そこで、スマートフォンなど小型の機器には、システム動作に必要なパーツを1個のチップに集積したSoCを使っている。システムLSIの実現により、製品の低価格化、小型化、高性能化が可能となった。
システムLSIの役割
システムLSI(例えばPentiumなど)の中にはロジック(論理)部分とメモリ(記憶)部分がある。
- ロジック部分
- 計算する役割を持つ。
- メモリ部分
- 計算した結果を一時的に記憶する。
ロジック部分に入ってきた「0」と「1」の情報を、自分の持っている計算式で計算し、その結果を次の処理に送る。